2005年夏頃。ある事情である人妻をあるアパートに急遽かくまうことになった。とりあえずの家具を揃えた。殺風景じゃ寂しかろうとマットレスが入っていた段ボールで工作した。ピアノの落書きはアパートの壁。かくまって10日後。彼女の様子を見に行くともぬけのから。とても大切にしていたママの飾り写真と宝石箱がなくなっていたから出ていたんだろうなと思った。知っているのは彼女の携帯だけ。鳴らしても電源が切れている。どうにもならん。アパート解約時に落書きを叱られると思ったけれどどうせ壁紙張り替えるからと問題にならなかった。夏の夜の夢。レインと出逢う少し前のお話。