ballad king
CD
通信販売可
配信
2007年発表
プロデュース:塚本晃
ジャケット:Itaru Shimamura
伊豆の山奥のプライベートスタジオで録音。
早い者勝ち的なのは本意ではないんだけれど
売り切れたと思い込んでいたこのCDを少ない枚数だけれど某所で発見した。
新HP開設記念として発売します。
アルバムジャケット・楽曲のセルフ解説は配信では楽しめません。
レコーディング風景は「バラッドキングレコーディング日誌」に細かく書いてあるのでリンク参照。
http://whoswho.jp/librarys/index.html
グランドピアノの弾き語り曲は唄とピアノを同時録音したから爪が鍵盤に当たる音や
ペダルを踏む音が微かに聴こえる。
「ハダカのレディのバラッド」は性風俗産業で働く女性たちへの讃歌。
しかし「この歌詞は男性側の幻想・思い込みかな?」と疑念を持ち
現役風俗嬢3名にレコーディング前に聴いてもらった。
「幻想じゃないしこんな風に思ってくれるのは嬉しい。
でも店の控え室はカサカサで私たちの心境はリンダ」
「リンダ」はうつ状態の時に心境を記録したくて作った曲。
完成まで3年かかった。
歌詞についての解説はブログ「チンピラ詩人カオルの戯言」のどこかに書いたはず。
~この世でいちばん寂しい時間は日曜日のサザエさん~
~生きてりゃいいんだと人は言う そいつはどうかとオレは問う~
~「オマエをいちばん愛してる」って誰もが順位をつけている
孤独なリンダは愛よりもキズのカタチを信じてる~
「しみったれワルツ」は当時の女性マネージャーから
「カオルさんの作る失恋ソングを聴いてみたい」と言われ作った曲。
悪くない出来だとは思うけれど衝動で書き上げたわけじゃなく
「作詞仕事の発注」みたいでちょっと不本意な作品。
「雲をつかむような話」はスマトラ島大地震と津波を題材にした朗読曲。
南国のビーチでバケイションしていたら突然地震と津波がって場面をイメージして聴いてほしい。
奇しくも8年後に東北震災がありこの歌詞は不謹慎かなと思ったけど
むしろ再評価されたいろんな意味で「想定外」の曲。
弾き語りの「ジェネレーションズ」はプロデューサー塚本晃の熱烈リクエスト。
「ダメでもなんでもワンテイクしかやらない」と言い放ち唄った。
声量も鍵盤を叩きつける音も他の曲よりも格段に録音レベルが大きくて歪んでしまった。
どうしてもチカラの入ってしまう曲で唄い始めより最後はボルテージが上がり
その音量の変化に録音バランスが対応できずエンジニアは困っていたらしい。
「すごくいいんですけどレベルがピーク超えちゃって音割れてます。。。
でも1度しかやらないんですよね。まあ2度はできないテイクですけど」
曲の後半を不思議な感じで処理しているのはこの音割れの歪みを誤魔化すため。
「ballad king」の曲目解説はCDの歌詞カードに記載してあるから
他の曲についてはそれを読んでください。
アルバムジャケットはずっとイタルに頼んでいてどれも気に入っているけど
特にこのイラストには驚いた。
イタル部屋にはこの絵のための下書き的なモノがひと月分の新聞紙以上あった。
驚いた理由のひとつは「鉛筆で描いた」ということ。
表紙の王様のターコイズブルーの飾り以外はすべて鉛筆。
裏面の女王の表情や年老いた元王様の猫背具合など配信ダウンロードでは
体感できない素晴らしい作品。